プリキス!!
マイ スイート タチバナ
「………待ってるし。」
校門の前に人の姿を見つけるやいなや、恵は舌打ちをした。
恵の姿を見つけたその人は、大声で走り寄ってくる。
「めぐ!」
うん……彼だ。
私は、その人の顔を確認して思いっきり飛びついた。
「橘っ……!」
「は……?烏丸?!」
黒い髪にしっかりと着こなされた制服。
ヤンキーとは思えない上品な彼、名前は橘 行成(たちばな ゆきなり)。
橘と恵と私は同中出身の友人。
女の子の親友も同然。
私は橘が大好きです。
本当に癒される。
何と言っても……
「めぐ?何連れてきちゃってるの?!烏丸は中央なの。カナ女の生徒なの。西のトップとおおっぴらに遊んじゃ烏丸が困るんだよ?!」
「はいはい。」
「ほんとに分かってる?!」
常識人です翼が見えます天使です。
「烏丸も!」
突然こっちに話題が切り替わってびっくりしたよね。
「めぐに言いくるめられるようじゃダメだよ。めぐなんて捨てておけばいいから。」
「うん……了解!」
「了解じゃないでしょ。」
何か恵ががほっぺを横にひっぱりはじめた。
地味に痛いよ。
「あはは、面白い顔。でもいいよ、俺が結婚してあげるね。」
「ひゅるきゃおけ!(するかボケ)」
キラキラーと恵からは爽やかオーラが出てる。
でもそれに流されちゃいけない。
流されたが最後、貞操の危機に晒されると知った中学時代です。
「てか烏丸、なんでうちの制服着てるの?……似合ってるけど。」
「ありがと、恵がくれた。」
「……それ、スルーしちゃいけない所だよ。」
「え?」
「うちの制服は……っていうか隠飛羽町内の制服なんてオールオーダーメイドなんだよ。ピッタリだなんて……どうやって烏丸のスリーサイズ分かった訳?」
私と橘は……こう、なんとも言えないような……変態を見るような目で恵を見た。
「強いていうなら……愛の力。」
「愛の力って何?!何故分かった!」
「え?企業秘密。」