プリキス!!






総長と副総長、それから姫には部屋が当てられるらしい。


さっきいたのは恵の部屋。


部屋だからベッドがあったんだと納得した。






姫先輩に連れられてきたのは、旧校舎芸術棟1階にある、資料室と書かれた部屋だった。



どうぞ、と扉を開けてもらい、部屋を覗くけれど、その部屋は圧巻としかいいようがない。







天蓋付きのベッドに、白い猫脚のテーブル。


テーブルの上には紫色の薔薇が飾られている。





全体的に白でまとめられたこの部屋はまさに……。




「お姫様部屋だ……。」


「入って入って。今日はローズヒップティーにしよっか。」



椅子に座って待っててね、と姫先輩は戸棚の中から白いティーセットを取り出して部屋を後にする。


パタン、と静かに扉がしまった。







笑顔で出ていった姫先輩。


ついてきたのは私だけど……真意が読めない人だなぁ。






私は姫先輩に嫌われてる……と思う。


それもこれも恵が無駄にスキンシップが多いのが諸悪の根源なんだけど。






それは置いておいて、嫌いな人をなんでわざわざもてなすの?


お茶に毒を入れられて殺されたりとか?


……殺すまではなくても、食べ物には気をつけよう。







姫先輩の話を聞くチャンスだ。





「ただいまぁ。」


「あ、姫先輩、ありがとうございます!」

 



お姫様部屋でお茶を片手に、談笑だなんて乙女なシュチュエーション。



こんな気持ちで迎えるのは、是非これっきりにしたいよね。




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