プリキス!!
*
「可愛い後輩が出来て嬉しい。ほら、男だらけだから。連盟って。」
「ですねぇ。」
あー……マイクテステステス。
こちら烏丸。
カップを片手に三十分。お茶には何も入っていない模様。
応答をどうぞ。
ごほん、マイクテステステス。
こちら初伊。
会話は世間話。姫先輩の女子力とコミュ力の高さを思い知るばかりです。
「……初伊ちゃん?」
「あ、すみません。」
烏丸と初伊が頭の中で会話をしてて、ぼーっとしてました。
えっと?と首を傾げると、姫先輩は照れ笑いで。
「だーかーらーっ、南も東も姫はいないし、北は取っ替え引っ替えだから女の子の友達もできない。初伊ちゃん、友達になってくれる?」
きゅるんと手を差し出す姫先輩。
…………。
ハートを打ち抜かれました。
可愛過ぎるよね!!
「なります。」
しゅたっと姫先輩の手を握る。
姫先輩の手はすべすべだった。
どうして恵も橘も、西の男達はこんなに可愛い姫先輩を好きにならないんだろうね。
私が男だったら絶対メロメロだもん。
そして……当初の予定とは裏腹に、私は姫先輩に骨抜きにされてしまった私。
橘に言われた事もあり、姫先輩と二人きりと合う事に危機感は持っているものの、
“友達”と一度名前がついてしまえば、そんなものは、あるようでないに等しい。
「先輩、電話ですよ。」
「あ……ちょっとごめんね。」
姫先輩の魔性のお茶会に参加してしまった事を、後悔するときはもう間近に迫っていた。
気がつくのが遅かったんだ。
姫先輩の、笑顔の裏の表情に。