プリキス!!
side恵
「総長が来てる……!」
「やばーいっ、目の保養ー。」
好奇の視線に晒されるのは、何より面倒だ。
世の中には、目立ちたくて芸能人になりたいなんて奴もいるけど、俺には到底理解が出来ない。
こんな視線、不快以外の何物でもない。
小さい頃からこんなのだった俺は、なんなら整形でもしようかと思ってたけど。
「恵君って……すごく綺麗なんだね。」
出会った頃、あの子はそういって微笑んだから、そんな考えはいつの間にか何処かに吹っ飛んだんだ。
「めぐ、溢れ出る黒ーいオーラしまって。終わったら烏丸に会えるんだから我慢して。」
俺達は今、本校舎にいる。
目的地、生徒会室。
「西高生が襲われてる?」
「はい。詳しくは会長を交えてお話したいのですが、旧校舎が怖いそうで、本校舎に来ていただけませんか?」
そういう訳でやってきた生徒会室には、生徒会長が震えて待っていた。
「ど、どっ、どうもっ……!」
部屋の隅にしゃがみこむ生徒会長。
恐らくは不良が怖くて震えてるんだろうけど、こうされるとイラっとくる。
「こんにちは。なんでそんなに怯えているんですか?」
笑顔満開で近づくと、会長はひいっ、と顔を隠してしまった。
「行成、俺そんなに怖い?」
「烏丸以外に向ける笑顔は、殺傷能力をもつと思います。」