プリキス!!

風邪菌注意報、引き続き発令中につきご注意下さい。




「へっくしょっ。……うぅ、寒気がする。」



夜10時を超えた頃、日課である日記を書いていた私を襲ったのは突然の寒さで。



経験上、風邪の引き始めだと思う。



今日は早めに寝ようと日記を本棚にしまっていると、後ろから誰かに抱きしめられる感覚。




「くしゃみなんて珍しい。風邪じゃない?薬出す?」

「お姉ちゃん、お帰りー。」



お姉ちゃんの方に向き直って抱きしめ返して、ただいまのキスをする。


烏丸の一番大きな別荘はロンドンにあり、真尋叔父様がロンドン支店を任されてたこともあって、幼い頃はイギリスに住んでいたお姉ちゃん。


そして私のお母さん方の家族はスコットランドに住んでいて、一時期そこに住んでいた私。


よって家族の挨拶は昔から英国風なのです。



「あの馬鹿男のが移ったんじゃないでしょうね……。」



馬鹿男=恵だよね。



何故かお姉ちゃんは恵を嫌ってる。

犬猿の仲とかいう訳じゃなくて……例えるならトイプードルVSチワワみたいな感じかな。


そう、ライバルって感じ。


なんのライバルかは分からないけど。



「まさか……風邪が移るような事されたんじゃ……!」

「されてないされてない。」



……ということにしよう!



今日は一緒にお風呂入りましょ、という提案で私達はバスルームに向かって。


昔はお姉ちゃんとお風呂に入るときは、女の子だけの秘密の話をしましょっ、とお姉ちゃんが私を無理矢理お風呂に引っ張って行って。


吉良は仲間はずれにされて、よくふくれてたっけ。




お気に入りのピンクのバスボムを入れて、キャンドルを灯せば、


“女の子だけの秘密の時間”は始まるんだ。





< 77 / 422 >

この作品をシェア

pagetop