プリキス!!
「うーい。うーちゃん。」
「お姉ちゃん。」
ぎゅっと、お姉ちゃんは私を抱きしめた。
小さい頃からお姉ちゃんは、怖がってる時や泣きたい時に、背中を撫でてくれる。
きっとお母さんがいれば、こんな感じなんだろう。
「吉良なんて私からしてみたら、昔も今もシスターコンプレックスをこじらせた馬鹿な餓鬼よ。」
「天下のイケメン烏丸吉良様をそこまで揶揄出来るのはお姉ちゃんだけだね。」
「あら事実よ?」
何だか楽しくて、2人で顔を見合わせて笑った。
「吉良は馬鹿だから、何かを一人で抱えてるのかもしれないわ。私たちもあまり考え過ぎないで気楽に待ってましょう?」
「……うん。気楽に待ってる。それでいつか吉良が相談したくなった時、聞いてあげれるように頼もしくなる。」
だから、吉良。
いつか、頼ってね。
「さて、と。結構話しちゃったわね。早く寝なきゃ初伊のお顔にクマができちゃうわ。上がりましょ。」
寝る間際、お姉ちゃんは部屋に来た。
「さっき思いだしたんだけど、昔吉良がわたし達だけでお風呂で秘密話しようとしたら怒ったじゃない?」
そうだね。
「あの子ね、話が聞きたくてこっそりドアの隙間開けて、隠れてたのよ。知ってた?」
今度会ったら変態って言いなさい、と笑ってお姉ちゃんは部屋に戻っていった。