プリキス!!








「あら、あらあらあら。37°7……。ちょっと高いわね。」



お姉ちゃんは体温計を見て、それから私の額を触って、顔を顰めた。



風邪の引きはじめどころか、がっつり引いてたみたいで、

頭が痛い、喉が痛い、体が重いの3コンボ。



風邪って本当辛い。




「今日は休みなさいな。」

「うん、そーするー……。」




お姉ちゃんは私に布団を被せてくれた。

それから凄く心配そうな顔で見てくれて。



「お姉ちゃん、大丈夫だよ。ちょっと具合が悪いだけなの。」


ちょっと……どころか結構具合悪いけど、お姉ちゃんに心配はかけさせまい!と頑張ってみた。



「嘘ね。」



即バレました。



「本当は看病してあげたいけど、今日はどうしても行かなきゃいけなくて……。ごめんね。」



何かあったら連絡頂戴ね、とお姉ちゃんは学校に向かった。




眠るまで漫画でも読んでようと思って、本棚に向かおうとするけど、歩くたびに頭がガンガンする。


うん、大人しく寝てよう。


そうして布団の中に戻って、きっと30秒も経たないうちに私は眠ってしまったんだと思う。


夢も見ないほどに深く眠っていたんだけれど、何か冷たいものが額に当たるのを感じて、目が覚めた。



冷たいものの正体は熱さまシートだった。




……ひんやりして気持ちいー。




ふと視線を動かすと、すぐそばに吉良がいて。



「……大丈夫か?」

「へーき。」

「嘘だな。平気じゃない時は意地張んな。」



吉良はポンポン、と頭を撫でてくれた。


大きな角張った手、安心するなぁ。






……?!







「……吉良?!」





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