プリキス!!
*
「あら、あらあらあら。37°7……。ちょっと高いわね。」
お姉ちゃんは体温計を見て、それから私の額を触って、顔を顰めた。
風邪の引きはじめどころか、がっつり引いてたみたいで、
頭が痛い、喉が痛い、体が重いの3コンボ。
風邪って本当辛い。
「今日は休みなさいな。」
「うん、そーするー……。」
お姉ちゃんは私に布団を被せてくれた。
それから凄く心配そうな顔で見てくれて。
「お姉ちゃん、大丈夫だよ。ちょっと具合が悪いだけなの。」
ちょっと……どころか結構具合悪いけど、お姉ちゃんに心配はかけさせまい!と頑張ってみた。
「嘘ね。」
即バレました。
「本当は看病してあげたいけど、今日はどうしても行かなきゃいけなくて……。ごめんね。」
何かあったら連絡頂戴ね、とお姉ちゃんは学校に向かった。
眠るまで漫画でも読んでようと思って、本棚に向かおうとするけど、歩くたびに頭がガンガンする。
うん、大人しく寝てよう。
そうして布団の中に戻って、きっと30秒も経たないうちに私は眠ってしまったんだと思う。
夢も見ないほどに深く眠っていたんだけれど、何か冷たいものが額に当たるのを感じて、目が覚めた。
冷たいものの正体は熱さまシートだった。
……ひんやりして気持ちいー。
ふと視線を動かすと、すぐそばに吉良がいて。
「……大丈夫か?」
「へーき。」
「嘘だな。平気じゃない時は意地張んな。」
吉良はポンポン、と頭を撫でてくれた。
大きな角張った手、安心するなぁ。
……?!
「……吉良?!」