プリキス!!




しばらくして吉良が聞いてきた。





「昼、何食べたい?」




時計を見れば時刻は丁度正午だ。





「冷蔵庫にパンあるから、それ食べる「卵粥。」」



え?と目をパチクリ。



「パンじゃなくて卵粥、食べたいんだろ。」



うん、そう。


私は風邪引いたときは、卵粥が無性に食べたくなるんだよね。


吉良に言ったことなかったと思うけど、何でわかったんだろ。




「お前の事なら何でも分かるよ。」



どうして分かったの?と聞けば、笑顔でそう返って来て。



危うく吉良に赤面するところだった。




「初伊、卵がないから買ってくるな。布団に入って寝てろよ。」



そう言って吉良は卵を買いにスーパーまで行った。



「あいつは小悪魔か……。」



吉良が居なくなった後、布団の上でぼそりと呟いた。


小悪魔に違いない。


突き放したと思えば優しくして。


まだ、妹だと思われてるって勘違いしちゃうじゃん。




RRRRR……



電話がなってる。


もしかしたら、お姉ちゃんかな。


この時間はカナ女、丁度昼休みだし。





「はい、烏丸でございます。」



そう思って電話に出れば、暫くの無言が続いて。


「もしもし?」

「初伊ちゃん。」



「はい。……どちら様ですか?」




聞こえたのは、少し高い男の人の声。


そして、その後ろから聞こえたのは、



「初伊ちゃんっ……助け……っ、お願いっ……!」


「……姫先輩?!」



紛れもない姫先輩の声で。



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