プリキス!!
side吉良
♪ほーたーるのーひーかーりー
まーどーのゆきー♪
「おい吉良、電話。」
7時を少し回った頃、電話があった。
烏丸家を出てから、夜白が一人で住んでいたマンションに同居させてもらってる俺。
丁度シャワーから上がった時に、着信があって。
「いい加減その着メロやめろよ。朝っぱらから辛気臭えんだよ……。」
「蛍の光を馬鹿にするな。日本の誇る芸術なんだぞ。」
グチグチいう夜白を横目に電話に出ようとスマホを握る。
こんな朝から誰だろうか。
南の奴らか? それとも……ああ、DVDの延滞料金を払えっていう電話かもしれないな。
しかしその予想は大きく外れる。
ディスプレイには、予想外の人物の名前があったのだ。
「……おい、出ねぇのか?」
蛍の光が2番に鳴っても出ない俺。
それから、2番になるまで粘る電話の主。
「ああ……今出る。」
溜息をついて、電話に出る頃には蛍の光は3番に突入しようとしていた。
「もしも「遅い。」」
電話をかけてきた人物は──────
「妹の危機に、使えない奴ね。」
姉、志乃だった。