プリキス!!


side吉良



♪ほーたーるのーひーかーりー

まーどーのゆきー♪




「おい吉良、電話。」




7時を少し回った頃、電話があった。


烏丸家を出てから、夜白が一人で住んでいたマンションに同居させてもらってる俺。


丁度シャワーから上がった時に、着信があって。




「いい加減その着メロやめろよ。朝っぱらから辛気臭えんだよ……。」


「蛍の光を馬鹿にするな。日本の誇る芸術なんだぞ。」



グチグチいう夜白を横目に電話に出ようとスマホを握る。

こんな朝から誰だろうか。




南の奴らか? それとも……ああ、DVDの延滞料金を払えっていう電話かもしれないな。





しかしその予想は大きく外れる。


ディスプレイには、予想外の人物の名前があったのだ。






「……おい、出ねぇのか?」



蛍の光が2番に鳴っても出ない俺。

それから、2番になるまで粘る電話の主。



「ああ……今出る。」




溜息をついて、電話に出る頃には蛍の光は3番に突入しようとしていた。




「もしも「遅い。」」




電話をかけてきた人物は─­­­­­­­­─────





「妹の危機に、使えない奴ね。」





姉、志乃だった。





< 87 / 422 >

この作品をシェア

pagetop