プリキス!!
卵粥だろ。
そう告げれば、驚いた顔でどうして分かったか聞かれた。
そんなの……分かるに決まってるだろう。
お前の好みなんて。
卵粥を作る気でキッチンへ行けば、卵がない。
それどころか、食材が本当に食パンしか無くて。
姉貴、ちゃんと初伊に食事を摂らせているのか?
もしかして、初伊は全然食べてないんじゃないか?
心配になった。
卵を買いに行くついでに、保存食と食材を買いに行こう。
そう決意して、俺は近所にあるスーパーへ向かった。
家の陰に隠れる、刺客がいることにも気づかないで────。
*
スーパーには、かれこれ30分……いや、移動も合わせて1時間は行っただろう。
ちゃんと寝てればいいけれど、あいつのことだ。もしかしたら漫画を読んで起きてるかもしれないな。
家に到着し、荷物を玄関に置いて階段を上る。
「初伊、帰った……」
そこまで言って、体が固まった。
というのも、そこには初伊の姿は無く、さっきまで着ていたパジャマが脱ぎ捨てられていたから。
急ぎ携帯を開いて、GPSで居所を探す。
この前は、カバンにつけていたのを夜白のせいで壊されたが、
俺がつけてるのが1箇所だけだと思ったら大間違えだ。
制服のブローチの中。
使う頻度の高い髪飾りの飾りの中。
その他、いろんなところに付けてる。
しかし、GPSは全て“この家”を指していて。