プリキス!!


卵粥だろ。


そう告げれば、驚いた顔でどうして分かったか聞かれた。


そんなの……分かるに決まってるだろう。


お前の好みなんて。





卵粥を作る気でキッチンへ行けば、卵がない。

それどころか、食材が本当に食パンしか無くて。


姉貴、ちゃんと初伊に食事を摂らせているのか?

もしかして、初伊は全然食べてないんじゃないか?


心配になった。



卵を買いに行くついでに、保存食と食材を買いに行こう。

そう決意して、俺は近所にあるスーパーへ向かった。





家の陰に隠れる、刺客がいることにも気づかないで────。











スーパーには、かれこれ30分……いや、移動も合わせて1時間は行っただろう。


ちゃんと寝てればいいけれど、あいつのことだ。もしかしたら漫画を読んで起きてるかもしれないな。



家に到着し、荷物を玄関に置いて階段を上る。



「初伊、帰った……」



そこまで言って、体が固まった。


というのも、そこには初伊の姿は無く、さっきまで着ていたパジャマが脱ぎ捨てられていたから。




急ぎ携帯を開いて、GPSで居所を探す。


この前は、カバンにつけていたのを夜白のせいで壊されたが、


俺がつけてるのが1箇所だけだと思ったら大間違えだ。




制服のブローチの中。

使う頻度の高い髪飾りの飾りの中。

その他、いろんなところに付けてる。




しかし、GPSは全て“この家”を指していて。






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