プリキス!!
「そこにいるのは、もしかして南城君?」
違うかなぁという東麻に向かって、西巴は冷たく言い放った。
「東麻美琴。今すぐ初伊を返せ。あの子は俺のだからね。」
しかしそれは聞き捨てならないもので。
「いや、違う。」
「烏丸先輩?!」
「初伊は西巴のものじゃない。それは許さない。あいつは、もっと優しくて真面目で、幸せな家庭を末永く作っていけるような好青年のものになる予定だ。」
西巴は危険すぎる。
性格的に。
「ふふっ、じゃあ、僕ならいーい?おにーさんっ。」
なんだかもっと不穏な奴が名乗り出たが、駄目に決まっている。
しかしそういう前にキレたのは西巴で。
「烏丸吉良を兄と呼ぶのを許可されたのは、この世でただ2人、俺と初伊だけだよ。もう許さないよ……?今すぐそっちに行って、お前を総長の座から引きずりおろしてそれから社会的に抹殺する。」
……いや、だから許してないって。
「西巴君は血の気が多いねぇ。ふふっ、怖いね。それで、電話したのはね、伝えなきゃいけないことがあるからなんだけど。……お姫様を助けに来るなら、4人までってね。
それ以上来たら、初伊ちゃんは無事では済みませーん。」
じゃあまたね~と、東麻は電話を一方的に切った。