プリキス!!
「俺と、めぐと、烏丸先輩。それから……あと一人。どうしようか。」
この中で強いのは三島先輩かなぁ、と唸る橘に苛立ちの目を向けたのは西巴。
「随分と落ちついているね。薄情者。」
そう笑顔で言う。
ただし、目は笑ってない。
「東麻は、“四人で来るなら、烏丸の身は保証する”って言ったも同然。烏丸を無傷で助けたいなら、誰を連れていくか、きちんと考えよう。」
「あのさぁ……マフィアの世界はむさくるしいから気づいてないの?それとも行成は馬鹿なの?」
諭す橘に怒り声の西巴。
「何が言いたい訳?」
「行成の言う“身の安全”は、体の怪我とかって話でしょ。」
「そうだけど。」
「わかってるの?初伊は可愛いんだよ。しかも具合が悪い。そんな女の子がいたら、誰だって襲うよ。」
橘の顔がサアッと青ざめていく。
「やばい!急がないと!」
「だから言ってんだろ……。」
もう三人でもいいから行こう、と西巴が俺らに告げて。
せめて三島先輩連れていこうよ、と橘が叫んで。
「ちょっと待て。」
「お兄さん?」
「現地集合でいいのなら、一人呼べる。強い奴を。」
「お願いします。」
「めぐ、バイク取りに行くよ!早く!」
西巴と橘は裏門にバイクを停めてあるとかで、急いで走って取りに行った。
その間に俺は、そいつに電話を掛ける。
「もしもし。頼みがあるんだ。……夜白。」
吉良side end