幼なじみは恋ドロボー!!
一足先に教室に戻ったあたしは莉子を探した。

この状況をすぐにでも相談したかった。

莉子~!!!

どこにいるの~?!!!!

一通り校舎内を探すのに莉子が見つからない。

肩を落として教室に戻ったあたしは自分の机に顔を伏せる。

何でこんな一大事に莉子はいないの~?

そう思いながら手足をばたつかせる。

『一人で何やってんの?』

頭の上から聞き覚えのある声に顔を上げる。

『莉子~!!!!!』

あたしは半泣きになりながら莉子の名前を呼んだ。

『ど、どうした?』

莉子があたしの前の椅子に座る。

あたしは莉子にさっきの事を事細かく説明した。

『へぇ~町屋がね~陽菜を好きって』

半分楽しそうな莉子。

『どうしよう?返事…考えてって言われたけど突然過ぎて思考能力0です』

あたしは莉子をすがるように見つめる。

『陽菜は町屋のこと好きなわけ?問題はそこでしょ?』

町屋くんを好きか?

うーん。

『よく分からん。』

だって町屋くんのことほとんど何も知らない。

ルックス良くて成績優秀、実家が金持ち。

それ以外は正直何も知らない。

今まで本当に接点なかったし、女子に人気がある人に興味もなかったって言うか…

『まずは町屋がどんな人か、恋愛対象としてありなのか考えてみたら?別にすぐに付き合うとかじゃなくてさ』

『そっか!そうだよね‼友達からまず始めてみればいいんだ♪』

それならできそう。

まずは町屋くんと友達になろう。

それから考えたって遅くない。
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