幼なじみは恋ドロボー!!

町屋くんと友達になる！

そう決めたあたしはすぐに町屋くんを探しに向かった。

さっきは突然の事で変な態度とっちゃったし、何かあのまま逃げるようにあの場から居なくなっちゃったのも悪かったもんね。

町屋くんに謝らなきゃ。

町屋くん、まだ校内にいるかな？

そんな事を考えながらあたしは町屋くんが居そうな所を探し回った。

クラスにはいない。

どこ行ったのかな？

実行委員の仕事でもしてるのかな？

あたしは実行委員が仕事をしている部屋に向かった。

教室の中を覗くと机に向かって仕事をしている町屋くんを発見。

町屋くんの事、あんまり知らないけど、綺麗な横顔。

夕陽に照らされた黒髪が綺麗で思わずその姿に見惚れてしまう。

声をかけるのも忘れてあたしはしばらく町屋くんを見つめていた。


その視線に気づいたみたいに町屋くんがこっちを向いた。

「松崎さん？！」

急に視線がぶつかってあたしの心臓がﾄﾞｷﾝと跳ねる。

「あっ！えっと町屋くん、まだ仕事してるの？」

あたしは心臓のﾄﾞｷﾄﾞｷを隠すように町屋くんのいる教室へ入った。

「クラスの出し物の最終調整してたところ。松崎さんは？どうしたの？」

「あ、あのね、町屋くんに用事があって」

「僕に？」

「うん。大したことじゃないんだけど、今大丈夫？」

「大丈夫だよ」

町屋くんがそう言うとあたしは小さく深呼吸して話を切り出した。

「あのね、さっきの話なんだけど…あたし町屋くんのこと本当に何も知らなくて、だから付き合うとかはまだよく分かんなくて…で、でも、町屋くんの事をちゃんと知ってから真剣に考えたいって言うか…」

「うん。」

「だからね、あの、あたしとまずは友達になって欲しいの…ダメかな？」

「いいよ。友達になろう。」

「いいの？」

町屋くんはﾆｯｺﾘ笑って頷いてくれた。


あっさりとokしてくれた事に何だか拍子抜けしちゃった。

こうしてあたしは町屋くんと友達としてまずは付き合うことになった。

町屋くんの事を沢山知って恋人になれますように♪なんて甘い想像をしながら友達としての第一歩が始まった。