幼なじみは恋ドロボー!!
恋したい!

彼氏が欲しい!

そう思ってもなかなか思うようにはいかない。

彼氏宣言してから2週間が経っても彼氏の"か"の字も恋の"こ"の字も訪れる気配さえない。

あたしは学校からの帰り道、肩を落としてトボトボと歩く。

はぁ~。

あの曲がり角を曲がったら突然イケメンとぶつかってその瞬間に恋に落ちる―。

なんてこと起こらないかなぁ♪

あたしは期待を胸に曲がり角を勢いよく曲がる。

ぶつか……………るわけないよね。

はぁ~。

がっくしと肩を落として曲がり角で1人項垂れるあたし。

『おい!お前何やってんの?さっきから。』

聞き覚えのある声に顔を上げる。

そこに立ってたのは幼なじみの松浦陽翔。

『なんだぁ~陽翔かぁ。』

『なんだよ、その態度は!』

だってあたしはイケメンが現れるのを期待してたのに現れたのは小さい頃から知ってるお隣の陽翔なんだもん。

そりゃ、こんな態度にもなるわよ。

『陽翔、部活は?』

『今日は早目に終わった!俺ももう3年だし体慣らす程度にしかやってないから。』

『ふーん。』

『お前、聞いといてその態度ムカツクぞ!』

『あっそ。』

あたしは陽翔をほっといて歩き出す。

『待てよ!たまには一緒に帰ろうぜ。』

『うーん…』

あたしは低い声でそう答えながら先を歩く。

『どうしたんだよ?』

心配そうに顔を覗き込む陽翔。

『キモイ。』

あたしは陽翔を横目で見上げる。

『お前、性格悪いんじゃねぇ?心配してるヤツに向かってキモイとか普通言う?』

『言わない。でも陽翔だし(笑)』

『お前なぁ~!!!』

あたしと陽翔は幼稚園から知ってる仲。

だから何でも遠慮せず言えちゃうんだけど最近は一緒にいることも少なくなって正直あんまり陽翔のこと知らない。

バスケやってて学校でも結構人気者。

茶色の髪に綺麗な二重で整った顔立ちの陽翔。

彼女とかいるのかな?

まぁ、身内びいきだとしても陽翔はイケメンの部類に入る方だし時々告られてるのも知ってる。

バスケやってて背も高くなったし彼女いてもおかしくないよね。

『ねぇ、陽翔また背伸びた?』

あたしは隣を並んで歩く陽翔に尋ねる。

『どうかなぁ?この前測った時は185だったけど』

この長身連れて歩いてたら確かに勝ち組だな。





< 2 / 16 >

この作品をシェア

pagetop