しょうたくんとプリズムちゃん
ふと、
しょうたくんの腕に痛みが走ります。

プリズムちゃんのかけらが刺さり、
紅い紅いワインのような
血潮が溢れ出ていました。

それでもなお、
抱きしめるのをやめられないのです。

そして、知ったのです。

大好きな人を抱きしめることで、
痛みを伴うことがあるのを。

たとえどんなに痛みを伴おうとも、
誰かを想う気持ちは変わらないのを。



その奥深さと物哀しさに
しょうたくんはまた
大粒の涙をこぼしました。
とても、とてもきれいな涙です。
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