指先カウントダウン
「見た目はさ、なんかチャラいってゆーか、ふざけてるってゆーか。でもさ、良い人そうじゃん、サクラくん!」


「…なの、かな」



もう一度、ちらりと彼をみる。


佐倉くんが何かを言って、まわりの子が笑う。



入学式二日目なのに、もう佐倉くんのまわりにはたくさんの人がいた。



「あ、先生きたよ、座ろ!…咲?」


「う、うん」



佐倉くんは、ほんの短い間で、私よりもずっとずっと前に進んだ。


新しい友達を作って、たくさんお話しして。



…私も見習わなきゃ。



明日は自分から佐倉くんにおはようの挨拶をする。



今立てた、私の小さな目標。



そんな決意で私の学校二日目は始まったのだった。


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