幸せは名もない1日につまっている
シーン3 一(カズ)
<誕生日>
一は自室、恵は宿泊先の部屋にいる。
二人は終始、携帯メールでやりとりをしている。
一 「恵、誕生日おめでとう!1年に1度、こういう機会にしか会わないけど、
人当たりのよさと世話焼きなとこには感謝してるよ!
悪い意味じゃなくて、つまりは面倒見が良いってこと!
誕生日なのに過酷な労働、心中お察しします!
プレゼントは改めて、明日のヘルプもプレゼントの一部ってことで!
ホントにハッピーバースデイ!」
恵 「ありがとう!明日もよろしくね!」
<空港>
一はバイト先のロッカールーム、恵は空港にいる。
一 「いよいよフライトだね。」
恵 「買い物してたら保安検査通り忘れるところだった。」
一 「バカだー。最後の最後まで!」
恵 「もうすぐ飛ぶから、次は東京で。」
一 「おっけー!いってらっしゃい!」
恵 「いってきます!」
<夏祭り>
一は自室、恵は自宅のベランダにいる。
一 「今年うちの夏祭り、雨降らなかった!」
恵 「うちも。盆踊り2時間くらい踊ってきた。」
一 「楽しんでるかい!」
恵 「今ペルセウス流星群見ようと思ってベランダ出てる。星がきれいだよ。」
一 「今日流星群なんだ。見たいけど限界!夢の世界へ行ってきます。」
恵 「また飲んだな未成年!お休みなさい。」
<明日>
一と恵、それぞれの自室にいる。
恵 「質問!一人称使い分けてるの?ときどき俺になるよね。」
一 「そうだね、使い分けてはないよー!
その時のシュチュエーションや気分で変わるだけー!」
恵 「そっか!違う人が打ってるわけじゃないのね。安心あんしん。」
一 「でもまぁ、仕事の時は大体『俺』だなー!」
恵 「俺の方がやっぱり男っぽいよね。ときどき聞くとびっくりしちゃう。」
一 「どっちが良い?私と俺!」
恵 「『私』は安心だけど『俺』も好きだよ。
気を使ってくれなくて大丈夫だからね。いつも通りにしてて!」
一 「はいよ!このまま、一人称を使い回すよ!」
恵 「そうして下さい!個性って大切ですから。」
一 「質問!私は、個性つよいですか?」
恵 「私の知る中ではかなり上位だと思いますよ。」
一 「マジか!」
恵 「悪いことじゃないでしょ。人と違う視点とか感性を持ってるのって
ステキなことだと思う!私はけっこう平凡な考え方をする人だから、
うらやましいかぎりだよ。」
一 「ありがとう!そう言ってもらえると楽だわ!」
恵 「一はすごいよー。私が大学出てからやろうとしてたこと、
もうやってるんだもん。」
一 「資格のこと?」
恵 「衛生責任者とか専門でないと取れないと思ってた。」
一 「たいしたことじゃないよ。」
恵 「でも資格でしょー。」
一 「フリーターだからできるのさ。学校行ってたらまずやんないよ。」
恵 「やっぱりもう学校行かないんだ?」
一 「下が二人も控えてるからねー。今さら行けないよ。」
恵 「偉いね、お兄ちゃん。」
一 「いいんだよ。そのかわり、飲食店開業の勉強とか言って
好き勝手やらせてもらってるんだから。」
恵 「手広くやってるもんね。」
一 「一つのことに集中すると途中で飽きるんだよ。」
恵 「熱しやすく冷めやすい、みたいなね。」
一 「よし、やろう!と思うのはよくあるんだけど、すぐおわるんだよね!
だからバイトも長続きしないのさ!
まぁ、色んな職種に触れたいのもあるけど!」
恵 「わかるー。私も長居するより、短期の仕事をいっぱいやりたい人!
だからいつまで経ってもヒラなのよね。」
一 「恵ウチで働いちゃいなよ!俺オーナーになるからさ、恵雇われ店長。」
恵 「いきなり店長?ありがとー。」
一 「ボーナスもでるよ!」
恵 「コーヒーとタバコ?」
一 「ついでにお酒も!」
恵 「ピアノ演奏がいいなー。」
一 「じゃあ、ジャズとクラシックを中心に、接客とピアノ演奏担当で!」
恵 「私ピアノ弾けないよ?」
一 「演奏がいいって言ったやん!」
恵 「ボーナスでしょ!弾くの一だから。」
一 「俺が演奏係かよ。」
恵 「頼むよ、オーナー。」
一 「そろそろ眠いわ!恵、また明日!よい夢を!」
恵 「お休みなさい!また明日。」
一、立ち上がり退場。すると恵の携帯電話に着信が入る。夏が登場する。
夏 「喫茶店の内装のラフ画描いた!
オープンキッチンにして、お一人様用にカウンターも付けてみた。
夜にはお酒も出せそうなかんじ!どうよ!」
恵 「なっちゃん。」
恵、嬉しそうに返信する。
恵 「スッゴイおしゃれ!ありがとうなっちゃん、愛してるわ―!」
夏、メールの文面に安堵の表情を浮かべる。
夏 「趣味でデザイン続けようと思う。手伝えることがあったら何でも言ってよ!」
恵 「頼りにしてます!さっそく明日オーナーに転送して見てもらうね!」
夏 「ちょっと恵、オーナーって誰よ!?」
一は自室、恵は宿泊先の部屋にいる。
二人は終始、携帯メールでやりとりをしている。
一 「恵、誕生日おめでとう!1年に1度、こういう機会にしか会わないけど、
人当たりのよさと世話焼きなとこには感謝してるよ!
悪い意味じゃなくて、つまりは面倒見が良いってこと!
誕生日なのに過酷な労働、心中お察しします!
プレゼントは改めて、明日のヘルプもプレゼントの一部ってことで!
ホントにハッピーバースデイ!」
恵 「ありがとう!明日もよろしくね!」
<空港>
一はバイト先のロッカールーム、恵は空港にいる。
一 「いよいよフライトだね。」
恵 「買い物してたら保安検査通り忘れるところだった。」
一 「バカだー。最後の最後まで!」
恵 「もうすぐ飛ぶから、次は東京で。」
一 「おっけー!いってらっしゃい!」
恵 「いってきます!」
<夏祭り>
一は自室、恵は自宅のベランダにいる。
一 「今年うちの夏祭り、雨降らなかった!」
恵 「うちも。盆踊り2時間くらい踊ってきた。」
一 「楽しんでるかい!」
恵 「今ペルセウス流星群見ようと思ってベランダ出てる。星がきれいだよ。」
一 「今日流星群なんだ。見たいけど限界!夢の世界へ行ってきます。」
恵 「また飲んだな未成年!お休みなさい。」
<明日>
一と恵、それぞれの自室にいる。
恵 「質問!一人称使い分けてるの?ときどき俺になるよね。」
一 「そうだね、使い分けてはないよー!
その時のシュチュエーションや気分で変わるだけー!」
恵 「そっか!違う人が打ってるわけじゃないのね。安心あんしん。」
一 「でもまぁ、仕事の時は大体『俺』だなー!」
恵 「俺の方がやっぱり男っぽいよね。ときどき聞くとびっくりしちゃう。」
一 「どっちが良い?私と俺!」
恵 「『私』は安心だけど『俺』も好きだよ。
気を使ってくれなくて大丈夫だからね。いつも通りにしてて!」
一 「はいよ!このまま、一人称を使い回すよ!」
恵 「そうして下さい!個性って大切ですから。」
一 「質問!私は、個性つよいですか?」
恵 「私の知る中ではかなり上位だと思いますよ。」
一 「マジか!」
恵 「悪いことじゃないでしょ。人と違う視点とか感性を持ってるのって
ステキなことだと思う!私はけっこう平凡な考え方をする人だから、
うらやましいかぎりだよ。」
一 「ありがとう!そう言ってもらえると楽だわ!」
恵 「一はすごいよー。私が大学出てからやろうとしてたこと、
もうやってるんだもん。」
一 「資格のこと?」
恵 「衛生責任者とか専門でないと取れないと思ってた。」
一 「たいしたことじゃないよ。」
恵 「でも資格でしょー。」
一 「フリーターだからできるのさ。学校行ってたらまずやんないよ。」
恵 「やっぱりもう学校行かないんだ?」
一 「下が二人も控えてるからねー。今さら行けないよ。」
恵 「偉いね、お兄ちゃん。」
一 「いいんだよ。そのかわり、飲食店開業の勉強とか言って
好き勝手やらせてもらってるんだから。」
恵 「手広くやってるもんね。」
一 「一つのことに集中すると途中で飽きるんだよ。」
恵 「熱しやすく冷めやすい、みたいなね。」
一 「よし、やろう!と思うのはよくあるんだけど、すぐおわるんだよね!
だからバイトも長続きしないのさ!
まぁ、色んな職種に触れたいのもあるけど!」
恵 「わかるー。私も長居するより、短期の仕事をいっぱいやりたい人!
だからいつまで経ってもヒラなのよね。」
一 「恵ウチで働いちゃいなよ!俺オーナーになるからさ、恵雇われ店長。」
恵 「いきなり店長?ありがとー。」
一 「ボーナスもでるよ!」
恵 「コーヒーとタバコ?」
一 「ついでにお酒も!」
恵 「ピアノ演奏がいいなー。」
一 「じゃあ、ジャズとクラシックを中心に、接客とピアノ演奏担当で!」
恵 「私ピアノ弾けないよ?」
一 「演奏がいいって言ったやん!」
恵 「ボーナスでしょ!弾くの一だから。」
一 「俺が演奏係かよ。」
恵 「頼むよ、オーナー。」
一 「そろそろ眠いわ!恵、また明日!よい夢を!」
恵 「お休みなさい!また明日。」
一、立ち上がり退場。すると恵の携帯電話に着信が入る。夏が登場する。
夏 「喫茶店の内装のラフ画描いた!
オープンキッチンにして、お一人様用にカウンターも付けてみた。
夜にはお酒も出せそうなかんじ!どうよ!」
恵 「なっちゃん。」
恵、嬉しそうに返信する。
恵 「スッゴイおしゃれ!ありがとうなっちゃん、愛してるわ―!」
夏、メールの文面に安堵の表情を浮かべる。
夏 「趣味でデザイン続けようと思う。手伝えることがあったら何でも言ってよ!」
恵 「頼りにしてます!さっそく明日オーナーに転送して見てもらうね!」
夏 「ちょっと恵、オーナーって誰よ!?」