姫百合
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「じゃあね?また。」
「うん。また?ねぇ。」
といって美少年こと
南冬 深羅(なんとう みら)高2
に、案内され先程理事長室に来たのはいいんだが、
「待って、深羅!
またってどうゆうこと?会えるかわからないのに。」
そう、彼はまた会えるかどうかもわからないのに、またって言った。
疑問が解けなくて、去ろうとしていた深羅の背中に声をかけた。
「ん?感だよ。華威ちゃんにはまた会えると思うんだ。」
へー、感か。
時には感に頼るのもいいかもね。
「皆でね。」
深羅は小声で何か言ったようだったけど、私には聞こえなかった。
・・
「会えるといいね。じゃ、またね?」
「クスクス。あぁ、またね。」
そう、言って深羅とわかれた。
深羅は高2で私より1つ上の学年だが、私は敬語を使いなれてないためため口なのだが、彼は嫌な顔せずそれを許可してくれた優しい奴だ。
それに加え、ミルクティーブラウンのほどよい長さの髪にチョコレートブラウンのカラコンに整った顔立ちなんて。
パーフェクトボーイだな。
あの作り笑顔が無ければな。
笑顔振りまいてにこにこして。
でも、本性じゃない。
とんだエセ紳士だぜ!
まぁ、私の仲間もイケメン揃いだったから新鮮味は無いな。
もう戻ることないあの地の仲間。
あーダメダメ!
思い出さない思い出さない。
私が悪いんだから!
あの後、理事長室に行きたいこと言ったら案内してくれたんだ。
この恩はいつか返そう。
チラッと廊下の先を見ると、もうそこに深羅の姿はなかった。