distiny〜 失われた過去〜
「じゃ・・・行ってくるよ・・・今日は 本当に
静かに ゆっくり休んで
あっ・・・帰りに君の大好きな チーズタルト 買ってくるから 楽しみに待ってなさい・・・」


「アナタ・・・」


徹の気遣いに桜子は 自分の過去など こだわる必要などないと感じた。


桜子は大悟を抱き 徹を笑顔で見送り


徹もいつも以上に桜子に優しく微笑み仕事へ向かった。


悩みがスゥーっと消えさったかのように 桜子の気分は落ち着いていた。


桜子は 自分の記憶がない事が病気の一種だと


徹に言われ 徹から極力


外出は控えるように言われ


この5年間 近辺しか外出した事がなかった。


唯一の楽しみは中庭の


ガーデニングで


陽射しを浴びて 心 癒される場所であった。


大悟を側で遊ばせながら


桜子は草花の手入れをしていた。


どれぐらい時間が経ったのだろう・・・


大悟がグズりはじめ


桜子は大悟を抱き 中へ入ってきた。
< 10 / 77 >

この作品をシェア

pagetop