distiny〜 失われた過去〜
「お義母さま・・・申し訳ありません・・・ お昼の用意 出来たので・・・」


「もう 結構と言ったでしょ・・・本当・・・何処の馬の骨かもわからない人を・・・徹も 同情だけで 拾ってくるから・・・いつまでたっても 学習できない訳よね！ 大悟までアナタのようになられたらたまったもんじゃないから・・・今のうちに 学習させないといけないわね！少しでも 馬鹿な血が流れてる訳だし・・・」


桜子の目から涙が零れ落ちた。


どんなに冷たくされても


きつい言い方されても


我慢 出来るが 何処の馬の骨とか 拾われたと言う言葉に対して


記憶がないだけに


１番 残酷な言葉であった。


返す言葉もないまま


二人は家を出て行った。


桜子はその場で泣き崩れた。


しばらくすると 早紀が学校から帰ってきた。


「ただいまぁ・・・ママ・・・どうしたの・・・？」


「おかえり・・・何にもないのよ・・・」


「また・・・御祖母様ね・・・ママ・・・」


このような光景が初めてでない早紀は


桜子を気遣い まるで母親のように 優しく桜子を抱きしめた。


「ママ・・・早紀はママの味方だからね・・・
だから・・・泣かないで・・・」


早紀の優しさに心を澄ます桜子であった。



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