distiny〜 失われた過去〜
二時間後 晴子と大悟が帰宅し、桜子は敢えて平常心で出迎えた。


「お帰りなさいませ・・・大ちゃん・・・御祖母様と お出かけ 良かったわね・・・」


晴子は桜子が いつもと違って 普通に接した事に苛立った様子であった。


「よく平気でそんな言葉が出てくるわね・・・アナタが お昼も食べさせてくれないから
旅行から 帰って来て 疲れてるにもかかわらず
大悟を連れて 食事に出かけたのよ 本当・・・恐ろしい鬼嫁だこと・・・」


「お義母さま・・・そんな言い方・・・確かに 遅れてしまったけど・・・お昼は・・・」


「あぁもう・・・いいわ・・・アナタとくだらない話ししてるような暇はないの!」


と・・・その時 早紀が目の前に現れた。


「ママをイジメないでっ!」


「早紀ちゃん・・・」


突然の早紀の言葉に 桜子は驚きを隠せない様子であった。


「まぁ・・・母親も母親なら・・・子供も子供ね・・・本当・・・徹の子供かしら・・・」


早紀はキッと晴子を睨んだ。


「お義母さま・・・私の事は 何を言われてもいいです・・・
でも・・・早紀の事は・・・そんな言い方 しないで下さい・・・」


桜子は必死に 晴子に訴えた。
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