distiny〜 失われた過去〜
「まぁ 何て人なの・・・

よくもそんな口答えできるわね・・・」


二人の口論を聞いて徹がリビングへやって来ていきなり


桜子の頬を叩いた。


晴子も唖然としながら


桜子は痛さより徹の気持ちが悔しくて涙が溢れ出した。


桜子は唇を噛みしめ 二階へ駆け上がった。


「徹・・・叩かなくても・・・」


晴子の言葉に徹は睨めつけながら


「あんた達の痴話喧嘩のおかげで・・・

こっちもクタクタなんだよ・・・

いい年して オフクロも

もう少し 考えろよ!

桜子以上に あんたをぶん殴りたい気分だよ」


「まぁ・・・何て言い方・・・

本当 よくそんな事 親に向かって言えるわね

あの人が来てから


アナタも本当 変わったわね・・・」


晴子はそう言うと 自分の部屋へ戻って行った。


徹はタバコに火をつけ


リビングのソファーに腰をかけた。


桜子を叩いてしまった事に


後悔をしていた。




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