distiny〜 失われた過去〜
足立は桜子の事が心配になり 富美子へ連絡をしたが富美子も留守番電話になっていた。


足立は居ても立ってもいられず空港へ向かった。


一方 桜子と足立の仲を確信した徹は また桜子の元へ行き 暴力を振るった。


それに気付いた早紀は


徹の腕を噛みあらゆる物を徹に投げぶつけた。


「早紀・・・」


早紀の行動に 桜子も無我夢中で抵抗し早紀を連れて家を飛びだした。


片手に携帯だけ握りしめていた。


今の桜子には 唯一の足立との繋がりはこの携帯だけだと思い 咄嗟に携帯だけ握りしめていた。


「ママ・・・大丈夫・・・?痛くない・・・?」


「早紀・・・大丈夫よ・・・ありがとう・・・本当にありがとう」


早紀を抱きしめ泣く桜子


桜子は早紀の強さに助けられたと感じていた。


徹が追いかけてくるかもしれないと 桜子は足立の携帯に電話をかけた。


空港に着いたばかりの足立は すぐさま桜子からの電話に出た。


「桜子さん・・・大丈夫ですか?」


足立に繋がった安心感から涙が溢れだした。


「私・・・私・・・早紀と家を飛びだして・・・」



< 74 / 77 >

この作品をシェア

pagetop