† トータル †
「・・・僕は・・・・・」
「うん」
「・・・母さんを、探しているんだ」
「お母さんを・・・?」
「僕は母さんの顔を知らない。
父さんも、一切教えてくれなかった。
僕は母さんを探すため、高校生探偵になった。
有名になれば、会いに来てくれると、思っていたから。
でも母さんは来てくれなかった。
毎日父さんに聞いたけど、連絡さえ来なかった。
僕は、ますます名を上げるため、トータルを追うようになった。
あの大泥棒を捕まえれば、来てくれると、信じているから。
でも・・・
僕は、いつまでたってもトータルを捕まえられない。
幼馴染だとは思うけど、確信はない。
このままだと・・・
母さんは僕に会ってくれない・・・・。
だから・・・
ミカちゃんたちを・・・疑った」
ミカちゃんは「そうなんだ・・・」と言った。
「ごめん・・・。
ミカちゃんたちを利用して・・・・」
ひどいって思われても、仕方ないと思った。
ひどいことをしているのは・・・事実だと思うから。
しかしミカちゃんは、笑顔を見せた。
「お母さん、早く見つかると良いねっ!」