† トータル †
「転入生を紹介する。
静かに迎えてやれよ?」
トランプを開始した私たちは、カードをきる手を止め、担任を見る。
「珍しいねぇ」
ぶりっ子モードの杏奈が、上目づかいで言う。
「そうだね」
気にせず、美雨が言う。
「別に普通じゃないですか?」
私たちは小学校から一緒ってのはさっき言ったと思うけど。
実は織子は転入生。
1人で本を読んでいる所に、私たちが話しかけたんだ。
「織子にとっては普通でも、私たちにとっては珍しいことだよ」
誰だろ、男かな?女かな?
入ってきたのは、まあまあの顔立ちをした男の子。
黒髪に切れ長の目に眼鏡の、インテリっぽい人。
「「「・・・あ」」」
え?
私以外の3人がハモる。
織子が机に小型パソコンを隠しながら、カタカタキーボードを押していく。
どうしたんだろ・・・いきなり。