† トータル †
☆織子side☆
「美果?美果ってば!どうしたの?美果!!」
スマホの通話口に向かって、美雨が何かしきりに叫んでいる。
「・・・どうしたんですか?」
「美果がどうかしたのか?」
ボクと一緒に、杏奈も美雨に近づく。
「美果の電話、切れちゃった!」
「はっ・・・?
今日は決行日のはずだろ?」
「そうなんだけどっ・・・。
そのこと美果に電話したら、いきなり泣き出して。
そのあと切れちゃった!」
常に冷静な美雨が焦りだす。
「落ち着け美雨!
気持ちはわかるから、まずは落ち着け!
織子、美果がどこにいるのか、美雨のスマホを使って調べられるか?」
「・・・やってみます」
ボクは部屋からパソコンを持ってきて、美雨のスマホを差し込んだ。
美果との通話が終わったのは、つい数分前。
逆探知なら・・・出来るかもしれない。