† トータル †








しかし、美果の居場所はわからなかった。




逆探知をして、美果との通話が切れた場所はわかったものの、あくまでそれは切れた場所。

周辺の防犯カメラにハッキングし、調べたものの、美果の姿は写っていなかった。



そもそも、美雨と通話していた場所は、人通りが少なく、防犯カメラの数も多くない。

美果の居場所を探すのは・・・不可能なのだ。




「警察に連絡する?」

「馬鹿か美雨は!
オレらは泥棒だぞ?
泥棒が警察に連絡するのか?」

「そうだけど・・・。
美果の安否の方が心配だよ!」

「じゃあ、オレらは逮捕されて良いのか?」

「それは嫌だけど・・・。
でもっ・・・」

「オレだって、警察に頼りたい気持ちはある。
だが、オレらは警察に関わってはいけない人間だ。
それぐらい、美雨ならわかるなだろ?」




涙目になってきた美雨。

悔しい気持ちをあらわにする杏奈。




ボクはそっと、その場を離れた。




部屋へ戻り、スマホの電源を入れる。




『もしもし?どちら様ですか?』

「・・・ワタシです・・・・」







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