† トータル †
やっぱり慣れないや・・・ワタシは。
『おまっ・・・織子!?』
「お久しぶりです・・・」
『ど、どうしたんだよお前っ!
お前から電話をかけるなんて・・・』
「ワタシだって、かけたくなかったですよ。
でもね、今は緊急事態なんです」
『緊急事態・・・』
「・・・ワタシの友人が・・・現在行方不明なんです」
・・・本当は、頼りたくなかった。
母親から、会うなと電話するなと言われてきたのだから。
『友人・・・?』
「ご存知でしょう・・・綾部美果を」
『あの子が行方不明?』
「・・・ワタシだって、本当はあなたの力を借りたくはないです。
でも・・・緊急事態なんです」
『・・・織子の頼みだ。
聞くとしようか。
だがな織子、わかっているのか?
お前が俺に頼む、その代償を・・・』
「わかっています・・・」
わかっているから。
こうやって電話かけたのではないか。
「お願いします・・・お父様」
ボクは静かに、通話を終えた。