† トータル †
私は、両親が元泥棒で、姉が自殺したこと。
美雨は、幼いころから泥棒として生きていたこと。
杏奈は、お兄さんのことを。
織子は、お父さんや双子のお兄さんと別れ、お母さんに会わせてもらえなかったことしか話してくれなかったけど。
いつか話すから、と言ってくれた。
「そういえばさ、美果の家のお金って、もつのか?」
杏奈が突然言いだした。
「えっ、わからないよそんなこと」
まだ小学生で、お金に関してよくわからなかった。
「足りなくなったらどうするんだ?」
「え?あたしたち死んじゃうの?」
「お金が全てだと言いますからね」
「死んじゃいたくないよ・・・」
う~ん、と考えていると、杏奈が突然言いだした。
「泥棒でもするかぁ?」
「「「はっ?」」」
杏奈の爆弾発言に、私たちは驚いた。