† トータル †
全ての真実
☆勝也side☆
俺は、高校で智也の母親・智子に会った。
クラスメイトという、ベタな関係だった。
そのまま交際を続け、俺らは結婚した。
数年後、智也と妹である織子が生まれた。
名前が似ていないのにはワケがある。
智也は母親が名付け、織子の場合は、双子が生まれた後すぐに亡くなった俺の母親が名付けたから。
死ぬ間際、お袋は娘に織子と名付けた。
だから双子といっても、名前が似ていないのだ。
俺は警察官になり、毎日のように犯罪者を追っていた。
最初は俺を応援してくれた智子も、次第に応援しなくなった。
警察というのは、いつ死ぬかわからない職業。
奥さんである智子は、毎日不安だったんだろう。
俺はあるとき、智子から離婚を切り出された。
智也は俺のもとへ連れて来られ、智子は織子をつれ、家を出て行った。
俺は離婚に反対したが、智子が意見を曲げなかったことで大喧嘩し、仲直りせぬまま俺らは別れた。
だから、智也には言えなかった。
仲直りしないまま別れたんだ。
俺らを恨むと思ったんだ。