† トータル †
「・・・白鳥智子は、君と離婚した後、娘・・・織子を育児放棄にしたんだ」
「え・・・?」
智子が?
「当時智子さん自身も精神を病んでいたらしく・・・それで育児がままならなくなったんだ」
「織子は・・・?」
「もうすぐで死にそうになっていたところを、養護施設の職員が見つけ、保護した。
その後は施設で過ごし、わたしの元へ来た」
「今、織子はどうしているんですか?」
「現在、織子は家を出て行っている」
「は?」
「わたしも仕事が忙しくてね・・・。
気が付いたら、家を出て行っていたよ」
「そんな・・・」
「まあ、わたしにとって、織子はハッカーとしか見ていない」
「織子がハッカー?」
「知っているか?
世界に名を響かせる天才ハッカー・イオを」
「知っていますけど・・・」
「その正体は、織子だ」
「どうしてっ・・・」
織子がハッカーに?
「彼女が母親から教わった唯一の遊び。
それがハッキングだったんだ。
織子は小さい頃からパソコンをいじっていたらしい。
お蔭で、あんなに有名になった。
それを聞いたわたしは、織子を引き取ることに決めたんだ。
織子を引き取れば、より多くの犯罪者を捕まえられると思ったからね」
それって・・・。