† トータル †
ボクは養護施設の職員に発見され、施設へ向かった。
施設でもボクはパソコンをいじり、ハッキングをした。
職員はボクを保護したものの、全く相手にされなかった。
別に構わなかった。
ボクは数日後、大きな屋敷の前へとやってきた。
目の前に座るおじさんは、いかにもお金持ちそうだ。
「織子。今日からお前の名字は、稲葉だ」
「・・・わかりました」
「これから、そのまま敬語を使いなさい。
敬語を使わないと、お前を家から追い出す」
「わかりました」
「わたしは君のお父様だ。
言ってごらん?」
「お父様」
「さすが織子だ」
ボクはお父様の手によって、幼稚園へ入った。
周りは、お金持ちばかり。
そんな生活を知らないボクは、仲間外れ。
ボクは次第に幼稚園へ行くのをやめ、家でパソコンをいじった。
イオは、健在だった。
お父様は仕事が忙しく、ボクなんて構わなかった。
まあ、構わないけど。
ボクは使用人さんにお願いし、普通の小学校へ入学した。
お父様は気が付いていたらしいけど、何も言われなかった。