† トータル †
織子は私たちを見つめた後、ふんわり微笑んだ。
「・・・ありがとう、皆」
おっ!
織子が敬語じゃないっ!!
「良かったなオリ」
「うん。
ありがとう、お兄ちゃん」
・・・ん?
何でこんなにこの双子さん、自然に話しているんだ?
何年もの間、会っていないはずだよね?
「しかしオリも演技上手いな」
「そう?」
「本当に聞いていなかったのかと疑ったよ。
僕と父さんのこと」
「確かにおじさんからは聞いていないよ。
でも、お母さんからは聞いていたからね」
「よく覚えていたな、僕らの名前」
「忘れるわけないじゃん。お兄ちゃんとお父さんのこと」
・・・話を整理しよう。
織子はおじさん・・・警視総監からは白鳥親子が父親と兄だとは聞いていない。
しかし、母親からは聞いていた。
え?