† トータル †








2人―――――美果と織子は、足音を立てずに、屋敷内へ侵入する。

この屋敷内にある絵を盗んでほしいと、この間依頼が入ったのだ。




様々なセキュリティを乗り越え、2人は絵が保管されている部屋へ入る。

暗証番号を、トータル道具屋・杏奈のお手製の機械で見つけ、扉を開ける。



そこからは、別行動。

多くある絵から、目的の絵を探す。



トータルは予告状を出さない。

そのため、警備員の数は少ない。




「あっ!イオ、見つけたよ」

「よくやりました。
さぁ、長居は無用です。
早くフミの元へ帰りましょう」



2人が入り口の方へ足を向けた途端。




「お久しぶりですね、トータルさん」

「智也どうした・・・って、トータル!?」



トータルを捕まえるべく燃える白鳥勝也警部と、息子であり高校生探偵の白鳥智也が、入り口を塞いだ。

2人は驚くも、顔には出さない。




織子は背負っているリュックサックから煙玉を取り出し、思い切り投げる。

投げているその数十秒の間に、2人は煙を吸わない特殊なマスクを装着する。

これで、催眠ガスで眠る心配はない。







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