† トータル †
「どうして地下ってわかるんだ?」
「簡単なことですよ杏奈。
室内は先ほども言いましたが、屋外ほどセキュリティは厳しくありません。
それなのに、地下だけは異様にセキュリティが厳しいのです」
「だから地下ってわかったわけか」
「では、地下の説明をしますね。
地下には防犯カメラがあります。
厄介なのはカメラでしょうね。
海外の特別仕様なもののようで、熱を感知し、どこまでも追いつめます。
熱を感知するので、物陰に隠れても無駄です。
そのカメラが使用されているのは、地下室の入り口から、金品が保管されている扉までですから、対策が必要ですね。
保管されている部屋に侵入するには、4ケタの暗証番号が必要です。
杏奈には、対策用の機械を作ってもらえますか?」
「オッケー」
「カメラって言うのは、どうやって突破するの?」
「・・・」
言った途端、織子に冷ややかな目線を向けられる。
「え?」
「美果はお忘れですか?
ボクがイオだってこと・・・」
にやり、と不敵に微笑む織子。
「ボクに勝てるカメラなんてありません」
織子は少し、キャラが変わることがある。
それが大抵、作戦会議をしている時だ。
「盗むのはデータだよね。
何時決行?」