† トータル †







☆No.side☆




車を降り、美果と織子は素早く、正門へ向かう。

トータルは漫画とか小説などに出てくる怪盗とは違い、予告状などは出さない。


しかし大抵忍び込む所は警備などが厳しく、侵入がばれたら警察などに会う。

初めての頃は失敗が多く、よく警察と鉢合わせになっていた。

今はだいぶ慣れてきたので、警察と出会うことは少なくなったが、よく会っていた警部・・・あのスーツの男性、

白鳥勝也(しらとり・まさや)警部には目をつけられているのだ。




2人は正門に着くと、防犯カメラの影になるところで、一度止まる。

美果が誰もいないことを確認し、頷く。

頷き返した織子は、ポケットから愛用の小型パソコンを取り出し、防犯カメラをハッキング。

ちなみに、今路家の近所に取りつけられていた防犯カメラなどは、車内にいるときに、織子がハッキングをした。

織子のハッキング中、美果は小型マイクを使って、車内で待つ美雨に話しかける。




「フミ?今イオがハッキング中よ。
よろしくね」

〈わかったわ〉



美雨は名は知られていないし、織子ほどのハッキング能力はないが、一応ハッキングを嗜んでいる。

織子のまだやっていない防犯カメラなどのハッキングは、美雨がおこなう。

実質、トータルにはハッカーが2人いるのだ。



「アミ、行きましょう」

「ええ」



織子が正門のハッキングを終え、美果と共に今路家に侵入する。




現在、警備員が24時間体制で見張っている防犯カメラの映像は、少し乱れ、10分前の映像が流れている。







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