† トータル †
2人は、今路家の扉を開けた。
足音や気配がないので、誰もいない。
織子が正門の防犯カメラをハッキング中、室内にある防犯カメラを美雨がハッキングしたので、楽々と室内に入れる。
織子が調べた今路家の作りは、2人の頭の中に入っている。
2人は辺りを注意しながら、そっと地下室へ向かう。
地下室には、海外の特別仕様な防犯カメラが使われている。
体温を感知しているので、物陰に隠れても無駄。
(織子は、対策を考えているのかしら?)
美果は不安だったが、完璧に仕事を常にこなす織子だ。
何か考えはあるだろう。
すると突然、織子が止まった。
美果も急いで急ブレーキを踏む。
「どうしたのさ」
「・・・誰か来ます」
「え?」
美果も耳を澄ませると、どこからかバタバタとせわしない足音がする。
しかも1人や2人じゃない。
10人は軽くいるだろう・・・。