† トータル †
私たちの世界に来た人
☆美果side☆
窓からはいってくる朝日に、目を細めながら起きる。
私は目覚まし時計を使わない。
毎朝、太陽の眩しい朝日で起きている。
朝ご飯は、私の役目。
1番ご飯を作るのが上手いのは美雨だけど、美雨は低血圧。
1番起きるのが早い私が、朝ご飯は作る。
食器棚から、白いお皿4枚を取り出し、キッチンに並べた。
そこに、焼いた目玉焼きを乗せていく。
食器棚には、残っている3枚お皿がある。
青、ピンク、緑のお皿。
私の亡き家族のものだ。
私の家は、代々泥棒をやっていた。
両親は大怪盗で、姉はスリ師。
幼い私も、泥棒になるべく育てられた。
幼稚園の頃だけど、すでに鍵開けやロープで縛られた時の脱出方法など、学んでいた。
でも、ある時両親は死んだ。
仕事中、拳銃で撃たれた。
撃ったのは、両親が前に仕事で侵入した家の息子。
息子の父親は、不正なお金の取引をしていた。
その証拠を、両親が盗んで、世間にばらしたから。
「パパの仇だ!」って、息子は泣きながら叫んだ。