† トータル †








「やだぁ、あんなちゃんコワイ」

「あんなちゃんのぱぱとまま、シんだんだって」

「コロしたの、あのオニイサンなんだって」

「あんなちゃんにはカカワラナイようにしよう」



お兄さんはよく忙しい両親に代わって迎えに来てくれていた。

そのため、かなり幼稚園では有名だった。



「・・・あんな」


多くの人が離れて行く中、美果が不安そうに見つめていた。



「わたし、あんなのトモダチだよ」

「え?」

「なにがあっても、あんなのトモダチ。
あんなになにがあっても、ハナレナイからね」

「あたしもだよ!」

「みか・・・みう・・・・」



オレはその場で泣いた。

美果と美雨の優しさに、涙が出たんだ。

2人は一緒に泣いてくれた。



その時、オレは決めたんだ。

2人に何があっても、離れない。

2人を支えていける、存在になりたい、と。



その後、美果と美雨に事件が起こり。

美果の家で暮らすようになった。






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