† トータル †
僕は出会えたのだ。
トータルに。
トータルを捕まえれば、母親は僕に気が付いてくれる。
栄光をたたえ、父さんも母親に会わせてくれるかもしれない。
トータルは4人組だった。
トータルの中心人物・アミ。
ハッカー界の天才・イオ。
リーダーらしいフミ。
男っぽいムア。
4人のチームワークは抜群だった。
どんな警備もアッサリ突破するわけが、わかった気がする。
4人なら、どんな警備も、どんなシステムも、破られるだろう。
僕は正式に、学校へ退学届けを出し、近くの高校に入学した。
トータルを捕まえようと、僕は決めたのだ。
犯罪者は、僕が許さない。
例え、どんな理由でも。
僕が転入したクラスには、問題児4人組がいた。
僕の隣の席・綾部美果。
敬語を使うクラス委員・稲葉織子。
4人をまとめるリーダーらしき人・風林寺美雨。
ぶりっ子として、クラスから少し嫌われている村木杏奈。
どこか、トータルに似ていると思った。