† トータル †
「・・・しかし、信じられませんね」
本を閉じた織子が、不思議そうに呟く。
「何を信じられないの?」
「白鳥智也ですよ。
どうしていきなり、美果に告白をしたのでしょうか?
出会ってからまもないはずですのに・・・」
「確かにそうだね・・・」
普通、もっと時間をかけるよね?
いきなりすぎて、私も驚いたんだよね。
「何か智也くんには作戦があるってこと?」
「そうかもしれませんね。
確信は・・・ありませんけど」
怪しいな・・・・。
注意しないと・・・・。
「気を付けてくださいね?
わかっているとは思いますけど、トータルについて何も言わないように」
「わかっているよ!」
トータルも、私たちの過去も、守り抜いてみせる。
トータルが消えたら、依頼人は誰に頼めば良い?
・・・皆のこと、守るから・・・・ネ?