† トータル †









☆美雨side☆





「あーんーなー」



杏奈の部屋に入ると、杏奈はベッドに座りながら、漫画を読んでいた。




「・・・何の用だ」

「美果と、仲直りしないの?」

「誰があんな奴と」

「美果のこと、あんな奴呼ばわりして良いの?」

「・・・」



杏奈は上げていた視線を、漫画へと戻す。

あたしは隣に腰かけた。




「杏奈も知っているよね?あたしの過去(コト)」

「知っているけど?」

「ならわかっているよね?
喧嘩したまま別れると、一生後悔するってこと」

「・・・」

「・・・あたし、今でも思うんだ。
あたしがあの時、皆を責めなければ、喧嘩なんてしなければ、こんなに後悔することもなかったのになぁって・・・」

「・・・自分を責めるなよ」

「・・・ありがと。
でもあたし、杏奈にも美果にも織子にも、後悔してほしくない」



漫画を取り上げ杏奈を見ると、杏奈は小さく頷いた。



「杏奈は不器用で頑固だからね。
こうやって言わないと、決して謝らないんだから」

「・・・いつもゴメン、美雨」

「あたしのことは気にしないで?
メンバー同士仲が悪いと、仕事にミスが出ちゃうからね。
怪我させるより、こうして仲介した方がよっぽど良い」

「・・・さすが美雨。
よくまとめてくれるな・・・・」

「まあねー。
じゃ、美果の所、行こうか」

「おう!」








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