† トータル †
杏奈を部屋から出し、美果と向き合わせる。
「・・・さっきは、言いすぎた。
ご、ごめんな・・・・」
「杏奈は正しいことを言ったんだよ。
確かに私も断れれば良かったんだよね。
それなのに・・・断れなくて。
私の方こそごめん」
「・・・よく考えてみたら、あの状況じゃ断れねぇもんな」
「杏奈・・・」
「今更断ることは出来ねぇだろうから・・・。
まあ付き合ってみろ。
アイツが考えているトータルの正体っつーのも、わかるかもしれねぇし」
「そうだね!」
「ただ、オレらのことは明かすんじゃねぇよ?」
「勿論!!」
2人してニコニコ話していて、良かったなぁって思う。
「さすがですね、美雨」
「どうもありがとう、織子」
「あの頑固同士を仲直りさせるなんて・・・。
ボクじゃ無理ですね」
「頑固同士だからこそ、喧嘩も多い。
でも、その分仲の良さは強いから」
「・・・よ、よく見てますね」
「そう?」
あたしが笑うと、織子も少しだけ笑ってくれた。
教室で見るより、どこか自然な・・・。