† トータル †
「ところで、あの白鳥智也くんは、信頼できそう?」
「・・・何故、ボクに聞くんですか?」
「織子、この中で誰よりも勘が鋭そうだから」
「・・・あくまでボクの予想ですけど」
「聞かせて聞かせて」
「何か考えがあるようにしか・・・思えないんです」
「考え・・・」
「白鳥智也は、トータルが幼馴染同士の女子4人組だと考えています。
そんな時、もし身近に、幼馴染同士の女子4人組が現れたら・・・」
「白鳥智也くんが、あたしたちを疑っても、不思議ではないってこと?」
織子は頷く。
「正直に言いますけど、ボクらの中で、最も口が軽そうで話しかけやすいのは、美果です。
ボクらがトータルではないかと疑った白鳥智也は、真相を確かめるべく、ボクらに近づきます。
そして、美果の彼氏になり、正体を知ろうとする。
いかがでしょうか?」
「そう考えれば、辻褄(つじつま)が合うわね・・・」
「あくまで予想ですから、真実はわかりませんけど」
「その予想、美果に伝えても?」
「構いませんよ」
あたしは何故かオヤジギャグを連発し笑っている2人に割り込み、織子が話していたことを伝えた。
2人はあくまでの予想なのに、完全に信じ切り、「気を付けるぞ!」と言い張っている。
「あの2人、単純よね・・・」
「前からですからね・・・」