† トータル †









「ところで、話が戻るんですけど」

「どうしたの織子」

「どうやって、あの2人を仲直りさせたんですか?」

「どうやって・・・か。
何何織子、気になるの?」

「・・・えぇ、まぁ・・・・」

「喧嘩したまま別れると後悔するって、伝えたの」

「喧嘩したまま別れると後悔する・・・」

「どう?説得力あるでしょ?」

「それを言って説得力があるのは、美雨だけです」

「アハハそう?」




・・・まぁ、確かにそうかもね。

未だ後悔している、あたしが言うんだもの。






あたしは幼い時に両親を事故で亡くし、親戚の家へ引き取られた。

親戚は近所で『あしなが夫婦』と言われていた。



親戚は身寄りのない子を引き取っては、立派に育てあげている。

親戚に育ててもらえた子が、市長になったって話も、少なくはない。



あたしはその噂を聞いていたから、楽しみだった。

ただ、1つだけ不思議なことがあった。

あたしの両親が、あたし宛てに手紙を残していたのだ。



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風林寺家には、

行かないようにすること。


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