† トータル †
・・・ごめんね、智也くん・・・・・・。
私たちね、敵同士だから、
・・・・本当の、カレカノの関係になれないの・・・・。
私は、泥棒として、生きて行くから。
織子たちとも決めているし。
・・・そういう、家系だから。
泥棒として生きていく以外の道は・・・ないの。
「ミカちゃん?」
気が付くと、智也くんが私の顔を覗き込んでいた。
って、近いよ!
ドアップ過ぎるっ・・・!
「ご、ごめん!何?」
「いや、何も話していないよ」
「あっ・・・そうなの?」
「これ、渡そうと思ってさ」
目の前に差し出されたのは、オレンジジュースのはいったカップ。
私はそれを受け取り、一口飲む。
「美味しい」
「良かった。
じゃ、行こうか」
「うん」