† トータル †








・・・少女の台詞、何故か感動しちゃう・・・・。

もし私が少女の立場なら、どうなるのだろう・・・・。

きっと、織子も美雨も杏奈も、許してはくれないわ・・・・。




『あたしのパパとママだけではないわ。
きっと、おじさまも許してはくれないでしょうね。
警察と泥棒なんて・・・敵だもの』

『そんなの関係ないよ!
確かに、許してくれないだろうし、反対もする。
でも、俺はクミコが好きなんだ!
クミコを誰かに取られたくないんだ!』

『あたしだって、タカシを取られたくないわ!
でもっ・・・』

『クミコがいくら突き放したって、俺はクミコを愛する。
クミコ以外、考えられないんだ!』



少年タカシは、少女クミコを抱きしめる。

そして、お互い涙。

私の目元にも、涙が浮かんでいた。



『見させてもらったよ』

『親父!』

『おじさまっ・・・』

『2人の愛は、本物のようだ』

『どういうことだよ、親父』

『クミコちゃん。
タカシはね、幼いころに母親を亡くしてね。
それ以来、誰とも仲良くはしないし、誰かを好きにななんてならない』

『親父っ・・・///』

『タカシの親父として、心配していたんだ。
でも、ある時タカシはクミコちゃんを好きになった。
クミコちゃんが、タカシを変えてくれたんだよ』

『・・・そう、なんですか・・・・?』

『クミコちゃんだけだ、タカシを本気で愛せるのは』

『あたし・・・だけ』







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