† トータル †
『クミコちゃん、これからもタカシを好きでいてくれるね』
『勿論ですっ・・・おじさま!』
再び泣き出したクミコを、タカシは抱きしめた。
何だよぉ・・・この話はよぉ!
感動させるじゃねぇかよぉ!!
私の涙腺は崩壊し、号泣。
周りからも、鼻をすする音が聞こえる。
持ってきたハンカチは、すでにびしょ濡れ。
まさかこんなに泣くとは・・・。
私、あんまり涙もろくないはずなんだけど・・・・。
「ミカちゃん」
耳元で、声が聞こえて、急いで横を見ると。
智也くんが、優しく微笑んでいた。
「僕のも、使って良いよ」
「あっ・・・ありがどうございまずっ・・・」
涙声のまま答えて、ありがたく受け取る。
目頭に当て、涙を拭いたが、ますます涙はあふれてくる。
止まったのは、エンドロールが終わって、明るくなってからだ。