"アタシ"
「お前は俺みてぇな男みんな。
それでも俺をわすれらんねぇなら。こっのメアドに連絡よこせよ。
んじゃ、本当俺いかねぇとあとあとめんどくせぇし。」

ぐしゃぐしゃになった紙だけど開いたらちゃんとメアドが書かれていた。

「…ありがとう。」

私は自然と笑みがこぼれた。
これでさよならじゃなくなるんだ。
そうおもったら胸の奥がきゅーんっとなった。

「…んぁー、やっぱその紙返して。」

洸が気まずそうに視線をそらした。

「え?なんで…?」

「あー、やーそのな…やっぱ…。んー…このメアド誰にも教えんなよ。俺にメール送るんだったらこっち使え。」

今度はちゃんとした紙に書いてくれた。
なんで,こっちじゃなきゃ私はダメなんだろう…まあ、メアド教えてもらえたからいいんだけど…

「じゃあな」

私は遠くなる洸の背中を、見えなくなるまでずっとずっと見続けていた。
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